あなたにも身近な相続税について
相続税を計算を依頼された際に,まず我々が努めることは,
① そもそも相続税の申告が必要な方かどうか,
つまり,相続税の申告そのものが不要な方か
② 相続税の税務申告を要件に,納付税額が0円になる方か
③ 明らかに相続税の納税が必要な方か
を見極めることです。
つまり,いくら正しく財産の評価を行っても, ①に該当する方であれば,相続税の申告そのものが必要ではなく,手間暇かけて財産評価しても,結果,税務申告そのものが不要となってしまうからです。
ちなみにどんな方が①に該当するかというと,
相続財産の合計が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下となる方等です。
そのためにも,所有不動産や保有株式等,手元預金などを教えていただき,概算額を計算することとしております。
預金や上場株式等であればすぐに計算できますので,後は所有不動産ということになりますが,こちらは,固定資産税の納税通知書をお借りしての計算となります。
さらに共有の場合には,登記簿謄本もお借りします。
所在地域により,計算も異なりますが,
1 路線価方式(主に市街化区域で適用,例外あり)
2 倍率方式(上記以外の区域で適用)
のどちらかによる計算となります。
次に②に該当する方ですが,こちらは「1 小規模宅地等の評価減」や「2 配偶者に対する相続税額の軽減」を適用した結果,相続税額が0円となる方です。
特に1を適用した結果,相続税額が0円となる方は今後,東京都心の在住者を中心に増えてくると言われております。
どんな制度かというと,居住用の宅地や事業用の宅地(両者とも生活の基盤となる土地)につき,それぞれ330㎡や400㎡まで8割程,評価額を軽減してくれるという制度です。
評価額が小さくなれば,財産の合計が基礎控除額以下におさまり,結果,納税は必要なくなります。
一方,2は配偶者が財産を相続する限り,法定相続分まで相続税はかからないという制度です。(配偶者に対する財産形成の貢献度を考慮したものです。)
今後はこういうケースも出てくると思いますが,相続人が配偶者しかいないという場合,いくら相続財産が多額でも相続税額は0円となります。
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